この記事では、アフィリエイターが薬機法(旧・薬事法)違反の対策をするべき理由と具体的な対策方法について、わかりやすく解説します。
アフィリエイターが、健康食品(サプリ)や美容化粧品(コスメ)関連のテーマを扱う際、避けて通れないのが薬機法(旧・薬事法)の理解。
しかし、世のアフィリエイトサイト・ブログ・SNSを眺めていると、薬機法が遵守されていない発信の乱立状態。
最近は、アフィリエイターだけでなく、インフルエンサーによる発信する機会も増えておりますが、率直に申し上げると、今後は非常にリスキーです。
アフィリエイターやインフルエンサーの方は、ぜひご覧ください。
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対策のポイント
まずは結論から。
薬機法管理者の有資格者であり、広告主とアフィリエイター双方の立場に立ったこともある筆者が、自身の経験から、下記3つがポイントだと考えます。
- 薬機法の対策をしないと「薬機法違反として罰せられる」「検索エンジンでの順位下落」「アフィエイト提携の解除」「広告の審査落ち」といったリスクを負う可能性があります。
- 対策することで「参入障壁が上がっている中、競合アフィリエイターが減る」「広告主の評価が高まり、特別な案件や単価のオファーが増える」といったチャンスが得られる可能性があります。
- 自分で広告・記事を見直して修正することが難しい場合「広告表現チェックサービス」や「薬機法学習サービス」の利用が対策方法として有効です。
アフィリエイターが薬機法の対策をするべき理由
「リスク」と「チャンス」の両側面からまとめましたので、ご覧ください。
対策しないと負うリスク薬機法違反となり、罰せられる
違反時は、行政指導と刑事上の罰金に処せられます。
これに加え、政府は2019年に薬機法改正により、課徴金制度(行政上の罰金)導入を追加決定しました。
薬機法の管轄省庁である厚生労働省は、これまでのやり方では「違反事例が減らず、抑止力につながらない」という危機感を強めています。
今後、規制はますます強化される方向性にあると言えるでしょう。
<参考>
▶︎課徴金制度の導入(厚生労働省)
検索エンジンでの順位下落
2016年の「WELQ(DeNAが運営していた医療系キュレーションサイト:デマ情報やコピー記事が指摘され現在は閉鎖)問題」では、医療や健康関連の情報メディアの信頼性が問われました。
多くのアフィリエイターの集客チャネルでもあるGoogleも、「YMYL(Your Money Your Life)」という概念を定義し、お金や生活に関わる情報、特に医療・健康に関する検索結果については、正確性・信頼性を重視したアルゴリズムを採用しています。
薬機法を遵守していない粗悪なサイトや記事は、すでに順位下落の打撃を受けており、SEO対策としても薬機法の問題をクリアする必要があります。
アフィエイト提携の解除
薬機法違反は、健康食品や美容化粧品を扱うメーカーや販売業者などの広告主にとっても、事業リスクです。
広告主として、アフィリエイターの選定・管理責任が問われ「アフィリエイターが勝手につくったサイトだから当社は関知しない」という言い訳が通用しないからです。
今、各社とも薬機法対策は最大の関心事であり、薬機法セミナーをのぞくと満員のことも少なくありません。
提携するアフィリエイトサイトに対する内容チェックや提携方針の見直しも進んでいます。
特別単価の取り消しはおろか、最悪、広告主から提携解除の申し出もありえる事案です。
筆者も広告主の立場だった時、数百あった提携サイトを一時的に数サイトまで絞り込んだことがあります。
集客チャネルが減っても、薬機法遵守が優先されるからです。
広告の審査落ち
アフィリエイターがサイト集客するために広告を活用する際、メディア(媒体)の出稿規定に抵触する可能性があります。
薬機法の規制強化に従い、広告審査も厳しくなっており、以前は通過していた広告も通用しないケースが増えています。
筆者は現在、販売側の立場ですが、リスティング広告の広告出稿を申請したところ、下記のメッセージと共に大量の審査落ちを経験しました。
<Yahoo!スポンサードサーチ広告の審査結果画面>
Yahoo!の広告向けサイトでは、薬機法に関するガイドラインがまとめられていますので、一通り目を通しておくことをオススメいたします。
対策すると得られるチャンス
薬機法対策により、運営上の負担とリスクが増えれば、アフィリエイターが健康食品や美容化粧品を扱う動機とメリットは弱まるのが自然。しかし考え方によっては、「リスク」を「チャンス」と捉えることも可能です。
参入障壁が上がり、競合アフィリエイターが減る
アフィリエイトのジャンルの中でも、健康食品・美容化粧品は、手軽に始められる上、売上も大きい魅力的なマーケットでした。
しかし、薬機法の厳格化によって参入障壁があがり、広告主もシビアに提携アフィリエイターを選び始めている今は、遅れをとっていたアフィリエイターや後発組にも「チャンス」が生まれてきます。
広告主の評価が高まり、特別な案件や単価のオファーが増える
広告主のアフィリエイターの選定基準に、薬機法遵守の視点が加わったことにより、薬機法対策のノウハウと知見があるアフィリエイターが有利な条件で提携することが可能になります。
ASP(Affiliate Service Provider)から「商品力のあるクローズド案件」や「特別単価」「固定費契約」「サンプル提供」「新商品発売前のイベント招待」等のオファーが寄せられる「チャンス」が増えるでしょう。
薬機法遵守は、アフィリエイターの営業努力の範疇です。
アフィリエイターにオススメする、具体的な対策方法
薬機法違反は、知らなかったでは済まされません。
不安がある場合は、すぐに下記いずれかの対策をオススメします。
対策方法ごとにメリット・デメリットもまとめましたので、ご自身に合った対策をお選びください。
自分で広告・記事を見直して修正(リライト)する
薬機法違反の要件を踏まえて広告・記事を見直し、違反表現があったら修正(リライト)する、最もシンプルな対策です。
判断に迷う場合は、各都道府県の行政機関(薬務課)に問い合わせるか、信頼できる専門家が発信した書籍やサイトで確認しましょう。
メリット
・コストがかからない
デメリット
・自身のリソースを取られる
・専門知識や最新動向に関する情報が必要
・見落としや先入観や思い込みによる誤解で、修正漏れが起こりやすい
薬機法の広告表現チェックサービスを利用する
薬機法の違反ルールは、条文だけでなく、厚生労働省などの行政が発令する無数の通知を網羅して、はじめて理解できる代物です。
これらのルールを把握するのは、一般人には不可能に近く、担当行政と薬機法の専門家のみと言っても過言ではありません。
確実な対策をとるには、専門の広告表現チェックサービスを利用することをオススメします。
メリット
・自身のリソースをとられずに済む関連法令(景品表示法・健康増進法)含めた的確なチェックが期待でき、違反防止効果が高い訴求力や反響をケアした言い換え表現の提案をしてくれることが多い
デメリット
・費用がかかる
薬機法を独学で学べるサービスを利用する
具体的には、資格(薬機法管理者)・セミナー・講座・教材(代替表現集)サービスの活用です。
「自分でチェックするのは大変だし自信もないけれど、広告や記事をつくるたびに広告表現チェックサービスを利用するのも費用面で現実的でない」という方も多いかと思います。
そんな方は、最低限の薬機法の知識を体系的に学ぶことが、効率と費用の面で有効です。
中国の老子の言葉に「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」とあるよう、一度、身につけたノウハウは一生モノの財産。最初は大変ですが、健康食品や美容化粧品のアフィリエイターとして長く継続するためには、避けては通れない道かもしれません。
メリット
- 専門知識や最新動向に関する情報が体系的に習得できる
- 初期投資は必要だが、長い目で見ると広告チェックサービスよりは効率と費用の面で有効
- 広告主やASPに信頼され、差別化ポイントとなる
デメリット
- 自身のリソースを取られる
- 広告チェックサービスに比べると、チェックの確実性は劣る
注意したいのは、薬機法違反の問題をクリアしたとして、お客さまに商品の魅力が伝わらなければ、買う人はいないということ。
リスクマネジメントとマーケティングを高いレベルで両立させて、初めて意味のある対策と言えます。
対策サービスを利用する際は、このバランスが考慮されているか?がチェックポイントになるでしょう。
健康食品・美容化粧品のアフィリエイトは、最高レベルに難易度が高い分野です。
だからこそやりがいもリターンも大きい。
ぜひ万全の対策を打って、他とは違うアフィリエイターを目指してください。
まとめ
- 薬機法の対策をしないと「薬機法違反として罰せられる」「検索エンジンでの順位下落」「アフィエイト提携の解除」「広告の審査落ち」といったリスクを負う可能性があります。
- 対策することで「参入障壁が上がっている中、競合アフィリエイターが減る」「広告主の評価が高まり、特別な案件や単価のオファーが増える」といったチャンスが得られる可能性があります。
- 自分で広告・記事を見直して修正することが難しい場合「広告表現チェックサービス」や「薬機法学習サービス」の利用が対策方法として有効です。
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