この記事では、薬機法の専門資格である、薬機法管理者とYMAAの違いを明確にし、それぞれの資格概要、取得プロセス、どんな方に適した資格か?について、わかりやすく解説します。
背景には、健康食品や美容化粧品企業がマーケティング活動を行う上で、コンテンツ制作をライターに依頼したり、インフルエンサーにPRを依頼するケースが急増しています。
一方で、薬機法が厳格化する中、企業は自社の社員はもちろん、ライターやインフルエンサーにも薬機法に関する知識を求めるようになり、資格の有無を依頼や報酬の判断材料とする場合もあります。
このような状況で、特に「薬機法管理者」と「YMAA(薬機法・医療法適法広告取扱個人認証規格)」という2つの資格が注目されています。
いずれの資格も、薬機法の知識を証明することが可能ですが、多くの発信者や企業が、どちらの資格を取得すべきか迷っています。
そこで、この記事では、薬機法管理者とYMAAを比較し、ご自身に適した資格を選ぶ手助けができればと思います。
薬機法の規制の下で、下記いずれかにあてはまる方は、ぜひご覧ください。
※本ページはプロモーション(広告)が含まれています。
- 健康食品(サプリ)、美容化粧品(コスメ)、医薬品(医薬部外品)、医療機器、ヘルステック事業者
- 上記事業者を支援する方々(広告代理店、ASP、制作会社、PR会社)
- 健康美容関連のブロガー、ライター、アフィリエイター、インフルエンサー
企業が薬機法の専門知識を求める理由
以下にその主な理由を解説します。
薬機法違反を避けるため
薬機法「第10章 医薬品等の広告」では、医薬品でもないのに、まるで医薬品のような効果効能があるような表現をすることを規制しています。
もし違反した場合、行政指導、刑事罰、課徴金などのペナルティが課せられます。
他にも、表示の全面改訂・製品回収・広告中止による実損害やレピュテーションリスクなど、事業運営に多大な影響を及ぼします。
コンテンツ制作を担うライターやインフルエンサーが薬機法に精通していれば、このようなリスクを効果的に軽減できます。
信頼性を向上させるため
薬機法違反を避ける裏返しですが、薬機法に則して、商品やサービス内容を正確に伝えることは、消費者からの信頼を獲得することになります。
特に最近は、行政に薬機法違反を指摘される前に、SNSで指摘されたり、炎上することもあります。
コンプライアンスを遵守した上で発信する姿勢を示すためにも、企業はこれに応えることができる人材を高く評価するようになっています。
薬機法管理者とYMAAの比較
資格名 | 薬機法管理者 | YMAA |
運営団体 | 株式会社薬事法ドットコム | 一般社団法人 薬機法医療法規格協会 |
資格の歴史 | 2006年 | 2020年 |
価格 | ¥89,800 | 無料(個人認証マーク発行費用¥6,600) |
取得プロセス | 講習+修了試験+資格試験資格 | 試験のみ(60問) |
講座 | あり(全14章) | なし |
取得期間 | 平均3ヶ月 | 1日 |
受講・受験形式 | ネット完結 | ネット完結 |
薬機法管理者の概要
薬機法管理者は、株式会社薬事法ドットコムによって運営される民間資格です。
同社は、弁護士出身の実業家で、薬事法改正委員会委員を歴任した林田学氏が社主をつとめ、薬事コンサルティングのリーディングカンパニーでもあります。
顧問や提携先に官僚OB・元検事長・政府委員・医師が名を連ね、行政処分の対応、エビデンスづくりのバックアップ実績をもとに、講座や試験内容を毎年更新。
最新の市場ニーズやマーケティング観点に即応した内容が期待されます。
薬機法管理者は、2006年から業界先駆けて認定が始まり、圧倒的な歴史と知名度を誇り、ヘルスケア業界に関わる方たちの薬機法(旧・薬事法)の専門知識の代名詞となります。
薬機法管理者の資格取得にかかる費用は、受講・資格試験受験料一式で¥89,800。
全14章にわたる充実したカリキュラム講習料を含みます。
<カリキュラム一覧>
- 第1章:薬事法の基本的理解
- 第2章:薬事法違反のペナルティ (1) 行政指導
- 第3章:薬事法違反のペナルティ (2) 刑事摘発
- 第4章:景表法の実践的理解
- 第5章:薬事法とサプリメント(※狭義のサプリメント)
- 第6章:健康増進法とサプリメント
- 第7章:行政関与型 (1) 特保 (特定保健用食品)
- 第8章:行政関与型 (2) 栄養機能食品
- 第9章:明らか食品
- 第10章:使える表現・使えない表現(広告表現)
- 第11章:ダイエット食品
- 第12章:機器タイプ(健康・美容機器)
- 第13章:塗りタイプ(化粧品・医薬部外品)
- 第14章:行政関与型 (3) 機能性表示食品
どこまで勉強が進んだか?学習進捗が一目でわかる管理画面も提供されます。
資格取得までに必要な学習期間は平均3ヶ月ほどですが、筆者の場合は毎日30分ペースで4週間(900分=15時間)で取得することができました。
eラーニング(オンライン)で学べますから、在宅や移動のスキマ時間で効率的に進めることができます。
▶︎ 【口コミ・評判】『薬機法管理者』資格の取得者インタビュー – vol.2
▶︎ 【口コミ・評判】『薬機法管理者』資格の取得者インタビュー – vol.3
▶︎ 【口コミ・評判】『薬機法管理者』資格の取得者インタビュー – vol.4
▶︎ 【口コミ・評判】『薬機法管理者』資格の取得者インタビュー – vol.5
YMAAの概要
YMAAは、一般社団法人 薬機法医療法規格協会によって運営される民間資格です。
同団体は、現役の弁護士である寺垣俊介氏が理事長を務める、非営利団体で、公益的で法理論に基づいた内容が期待できます。
YMAAは、2020年から認定が始まった新興の資格ですが、徐々に認知度を高めています。
YMAAの認定は、無料の試験に合格するだけ。
ただし個人認証マークを希望する場合は、発行手数料として¥6,600がかかります。
いきなり試験!?と思われるかもしれませんが、設問は60問で、すべて◯×の2択なので、運が良ければ1日で取得することができる資格です。
合格ラインは90%なので、一度も薬機法に触れたことがない方には、ハードルが高く感じるかもしれませんが、万が一不合格だった場合は、30Pほどの受験マニュアル(pdfファイル)が送られます。
こちらに目を通して何度でも無料でチャレンジすることができます。
薬機法管理者と同じく、オンラインで受講できますからから、こちらも在宅や移動のスキマ時間で気軽に取得できます。
どちらの資格があなたに適しているか?
薬機法管理者とYMAAは、いずれも薬機法の専門知識を証明する資格ですが、特徴は大きく異なり、その人の立場やキャリアの目標に応じてその価値が決まります。
ざっくり言うと、薬機法管理者の資格は、プロフェッショナルを目指す方に深い専門知識と具体的な実務能力を必要とする人に対して、高度な教育と認定を提供します。
対照的に、YMAAは、業界の入門としての役割を果たし、基本的な法規知識の習得を通じて、新しい可能性を開く手助けをします。
下記に比較表でまとめましたので、ご自身がどちらにあてはまるか?踏まえてご検討ください。
資格名 | 薬機法管理者 | YMAA |
特徴 |
|
|
適している人 |
|
|
まとめ
- 薬機法は、実践的な専門知識が欲しいキャリアの差別化・信頼性が欲しい方向けの資格です
- YMAAは、コストと時間を最小限におさえ、とりあえずの肩書が欲しい方向けの資格です