OEM・ODM企業が薬機法違反の対策をするべき理由と具体的な対策方法

夕日と工場 その他
\在宅・ネット受験OK。今なら、お得なクーポン割引/

この記事では、ヘルスケア関連のOEM(Original Equipment Manufacturing)・ODM(Original Design manufacturing)企業が薬機法(旧・薬事法)違反の対策をするべき理由と具体的な対策方法について、わかりやすく解説します。

背景には『人生100年時代』と言われ、ヘルスケアビジネスが盛り上がり、ネット通販環境が整備されている点にあります。

健康食品(サプリ)や美容化粧品(コスメ)関連のヘルスケア商材を扱うOEM・ODM企業へのニーズが急増。

この成長の一方で、製品の安全性や品質、広告表現に対する法的規制の厳格化が進み、企業はこれまで以上に、薬機法遵守の重要性に直面しています。

もちろん、直接、薬機法等の表示に対する責任を負うのは、依頼主であるブランドメーカーですが、実はOEM・ODM企業も他人事ではありません。

たとえば、ブランドメーカーが、効果効能をうたい、薬機法違反をした販売方法をすると、警察や行政の調査対象となり得ます。

その際、製造を請け負うOEM・ODM企業の関与も疑われることがあり、違反が明らかになれば、警察は、違反は把握しておきつつ、いったん泳がしておいて、目立ってきた(売上が上がってきた)タイミングで摘発する傾向にあります。

これはOEM・ODM企業にとって、売上だけでなく、ブランドイメージへの打撃にもつながります。

したがって、薬機法違反のリスクを事前に回避するための適切な知識と対策は、OEM・ODM企業にとっても不可欠なのです。

OEM・ODM企業の経営者や属する方は、ぜひご覧ください。

\在宅・ネット受験OK。今なら、お得なクーポン割引/

OEM・ODM企業がおさえておくべき薬機法の基礎知識

薬機法は、下記の有効性や安全性を確保するために定められました。

  • 医薬品
  • 医薬部外品
  • 化粧品
  • 医療機器
  • 再生医療等製品

この内、みなさんが理解しておくべき原理原則論は「第10章 医薬品等の広告」です。

下記に条文をまじえてポイントを解説いたします。

広告主だけでなく、OEM・ODM企業も規制対象となる

(誇大広告等)
第66条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

条文内の「何人(なんびと)も」という記載がそれを示します。

医薬品でもないのに、まるで医薬品のような効果効能があるような表現はNG

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
第68条 何人も、第14条第一項、第23条の2の5第1項若しくは第23条の2の23第1項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第14条第1項、第19条の2第1項、第23条の2の5第1項、第23条の2の17第1項、第23条の25第1項若しくは第23条の37第1項の承認又は第23条の2の23第1項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

健康食品は、すべて未承認医薬品にあたり、効能、効果又は性能に関する広告は禁じられています。

すなわち、健康食品を扱うメーカーや販売業者などの広告主はもちろん「何人(なんびと)も」に当たるOEM・ODM企業は、健康食品の広告・記事で医薬品と誤解されるような言及・暗示に及ぶと薬機法違反となることを意味します。

お客さまの立場になると分かりやすいかと思いますが「医薬品ではない健康食品があたかも医薬品のように売られ、そういった商品を扱う会社が不当な利益を得る社会・市場は健全か?」という問題認識です。

ただし、健康食品の中でも、下記に分類される商品は、定められた効能効果を標ぼうすることができます。

  • 特定保険用食品(トクホ):効能効果表現を消費者庁に許可してもらう
  • 栄養機能食品:一定の基準をクリアすれば予め定めている効能効果表現が言える
  • 機能性表示食品:エビデンスをもって、健康食品の具体的な効果について言える

取り扱える商品の幅は狭まりますが、薬機法対策の負担リスクを軽減するために、これら効能効果を標ぼうできる商品だけを取扱うという戦略もありえます。

薬機法上の広告の定義

薬事法上、下記要件を満たせば「広告」に該当すると言われています。

誘引性:顧客を誘引する意図が明確であること
特定性:特定の商品名が明らかにされていること
認知性:一般人が認知できる状態であること

これに触れない単なるブログやコラムでの感想なら、情報源や信憑性は問われますが、効果効能をうたっても表現の自由とされます。

OEM・ODM企業の方は、まずこの3要件を知っておくだけでも、判断がしやすくなります。

罰則

行政指導

行政が行う是正措置を指します。

具体的には違法状態の是正報告書の提出を求められます。

刑事罰

第85条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。4 第66条第1項又は第3項の規定に違反した者5 第68条の規定に違反した者

第86条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(中略)
15 第67条の規定に基づく厚生労働省令の定める制限その他の措置に違反した者

課徴金

2021年8月から新たに、行政からの課徴金命令(違法によって得た利益の没収)が導入されました。

行政指導、刑事罰、課徴金だけでなく、表示の全面改訂・製品回収・広告中止による実損害やレピュテーションリスクなど、事業運営に多大な影響を及ぼします。

\在宅・ネット受験OK/

OEM・ODM企業が薬機法の対策をするべき理由

対策しないと負うリスク薬機法違反となり、罰せられる

違反時は、行政指導と刑事上の罰金に処せられます。

これに加え、政府は2019年に薬機法改正により、課徴金制度(行政上の罰金)導入を追加決定しました。

<参考>
▶︎医薬品の誇大広告に課徴金、売上の4.5% 厚労省方針(朝日新聞デジタル)

薬機法の管轄省庁である厚生労働省は、これまでのやり方では「違反事例が減らず、抑止力につながらない」という危機感を強めています。

今後、規制はますます強化される方向性にあると言えるでしょう。

<参考>
▶︎課徴金制度の導入(厚生労働省)

企業価値の毀損

最近ヘルスケア商材を扱うD2Cスタートアップ企業が増えています。

これらの企業は、薬機法に詳しくなかったり、社内にチェック体制がない企業もいらっしゃいます。

当然、OEM・ODM企業の中には、これらの企業から訴求文言のアドバイスを求められるシーンが増えたという声も上がっています。

逆に、営業面の差別化や付加価値を目的に、訴求文言のアドバイスができることをうたうOEM・ODM企業も増えています。

OEM・ODM企業にとって新たなチャンスでありながらも、薬機法違反のリスクを高める要因ともなり得ます。

特に、製品の効果や安全性に関する誇大広告は、薬機法によって厳しく規制されており、これらの基準を逸脱するような広告文言を提案または承認することは、企業価値の毀損に直結するリスクをはらんでいます。

D2Cスタートアップ企業にとって、薬機法を踏まえた、訴求文言のアドバイスができれば、相当な差別化になることは言うまでもありません。

SNSでの炎上によるブランド毀損

意外と見逃されがちなのが、SNSで「○○に効く」とPRし、消費者や専門家が指摘→炎上→お詫びというパターン。

もし、OEM・ODM企業が訴求文言に関与していれば、自社に責任が及び、結果としてブランドの信頼性に大きなダメージを与える可能性があります。。

「SNSでの炎上によるブランド毀損」といったリスクを負う可能性があるのが、対策をするべき最大の理由です。

\在宅・ネット受験OK。今なら、お得なクーポン割引/

OEM・ODM企業にオススメする、具体的な対策方法

薬機法違反は、知らなかったでは済まされません。

不安がある場合は、すぐに下記いずれかの対策をオススメします。

対策方法ごとにメリット・デメリットもまとめましたので、ご自身に合った対策をお選びください。

自分で広告・記事を見直して修正(リライト)する

薬機法違反の要件を踏まえて広告・記事を見直し、違反表現があったら修正(リライト)する、最もシンプルな対策です。

判断に迷う場合は、各都道府県の行政機関(薬務課)に問い合わせるか、信頼できる専門家が発信した書籍やサイトで確認しましょう。

メリット

・コストがかからない

デメリット

・自身のリソースを取られる

・専門知識や最新動向に関する情報が必要

・見落としや先入観や思い込みによる誤解で、修正漏れが起こりやすい

薬機法の広告表現チェックサービスを利用する

薬機法の違反ルールは、条文だけでなく、厚生労働省などの行政が発令する無数の通知を網羅して、はじめて理解できる代物です。

これらのルールを把握するのは、一般人には不可能に近く、担当行政と薬機法の専門家のみと言っても過言ではありません。

確実な対策をとるには、専門の広告表現チェックサービスを利用することをオススメします。

メリット

・自身のリソースをとられずに済む関連法令(景品表示法・健康増進法)含めた的確なチェックが期待でき、違反防止効果が高い訴求力や反響をケアした言い換え表現の提案をしてくれることが多い

デメリット

・費用がかかる

薬機法を独学で学べるサービスを利用する

具体的には、資格(薬機法管理者)・セミナー・講座・教材(代替表現集)サービスの活用です。

「自分でチェックするのは大変だし自信もないけれど、広告や記事をつくるたびに広告表現チェックサービスを利用するのも費用面で現実的でない」という方も多いかと思います。

そんな方は、最低限の薬機法の知識を体系的に学ぶことが、効率と費用の面で有効です。

中国の老子の言葉に「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」とあるよう、一度、身につけたノウハウは一生モノの財産。

時間はかかりますが、ヘルスケア関連のOEM・ODM企業としてリスクマネジメントするためには、避けては通れない道かもしれません。

メリット

  • 専門知識や最新動向に関する情報が体系的に習得できる
  • 初期投資は必要だが、長い目で見ると広告チェックサービスよりは効率と費用の面で有効

デメリット

  • 自身のリソースを取られる
  • 広告チェックサービスに比べると、チェックの確実性は劣る

注意したいのは、薬機法違反の問題をクリアしたとして、お客さまに商品の魅力が伝わらなければ、買う人はいないということ。

リスクマネジメントとマーケティングを高いレベルで両立させて、初めて意味のある対策と言えます。

対策サービスを利用する際は、このバランスが考慮されているか?がチェックポイントになるでしょう。

健康食品・美容化粧品のOEM・ODM企業は、最高レベルに難易度が高い分野です。

ぜひ万全の対策を打って、他とは違うOEM・ODM企業を目指してください。

\在宅・ネット受験OK。今なら、お得なクーポン割引/

まとめ

  • 薬機法の対策をしないと「薬機法違反として罰せられる」「企業価値の毀損SNSでの炎上によるブランド毀損」といったリスクを負う可能性があります。
  • 自分で広告・記事を見直して修正することが難しい場合「広告表現チェックサービス」や「薬機法学習サービス」の利用が対策方法として有効です。
タイトルとURLをコピーしました